1988年パリ生まれ。
幼少期よりヴァイオリンとピアノでクラシック音楽の基礎を学び、CMDL(ディディエ・ロックウッド音楽センター)およびパリ国立高等音楽院で学ぶ。その後、国際的な評価を獲得し、Verve、ドイツ・グラモフォン、ソニー・ミュージックといったレーベルからアルバムを発表。年間100公演以上を世界各地で行っている。
出演歴には、東京、モントリオール、ウィーン、モントルー、イスタンブール、ノースシー、ニューヨークなどのジャズ・フェスティバルや、オランピア劇場などの著名な会場に加え、クラシック音楽の殿堂として知られるパリ・フィルハーモニー、ボルドー・オペラ座、ブリュッセル・フラジェイ、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、上海大劇院、ザルツブルク・モーツァルテウム、シャトレ劇場、北京コンサートホール、京都コンサートホール、札幌・キタラホールなどがある。
ライブ録音による《A Modern Songbook》(ソニー・マスターワークス、2023年)、ソロピアノおよびシンフォニー・オーケストラとの共演による《Thirty》(ソニー・クラシカル、2019年)、マリンバ奏者ヴァッシレナ・セラフィモヴァとのデュオによる《Bach Mirror》(ソニー・クラシカル、2021年)および《Funambules》(ドイツ・グラモフォン、2016年)、ソロ作品《Feathers》(ヴァーヴ、2015年)、ジャズ・トリオによる《Fireflies》(Label Bleu、2012年)がある。
ジャズ・ピアニストとしては、ソロ、トリオ編成(ベース、ドラムとの共演)、各種デュオ形式で演奏活動を行っている。ソロ公演では、ジャズ・スタンダード、ポップス、クラシックの名曲、そして自身のオリジナル作品を即興的に織り交ぜる独自のスタイルが、世界中の観客と批評家から高く評価されている。《A Modern Songbook》は、キャロル・キング、スティング、ガブリエル・フォーレ、ジェイムズ・ブレイク、セルジュ・ゲンズブール、ロンドン・グラマー、ニック・ドレイク、シルビオ・ロドリゲスらの楽曲を再解釈し、125年にわたる音楽の旅を描いた作品である。2023年、パリ・フィルハーモニーにてキース・ジャレットの伝説的な《ケルン・コンサート》を再演した4公演は完売し、延べ4,000人の聴衆の記憶に深く刻まれた。
クラシック・ピアニストとしては、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番および第21番、ラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調、ガーシュウィンのピアノ協奏曲 ヘ調および《ラプソディ・イン・ブルー》、さらには自身による《ピアノとオーケストラのための協奏曲》《マリンバとピアノ、オーケストラのための二重協奏曲》《鳥たちのささやき(ヴァイオリン、ピアノと室内オーケストラのための狂詩曲)》などをレパートリーとする。
共演歴には、チューリッヒ・トンハレ管弦楽団、テネリフェ交響楽団、ボルドー国立管弦楽団、フランス国立管弦楽団、アヴィニョン、カンヌ、ピカルディ、バスク地方の管弦楽団(OPPB)、アンサンブル・アパッショナート、アンシュラ・オーケストラ、京都市交響楽団、札幌交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢などがあり、指揮者としては、ジャン=クロード・カサドシュ、広上淳一、ファイサル・カルウィ、アロンドラ・デ・ラ・パーラ、ジュリアン・マスモンデ、ジェームズ・ガフィガン、ピエール・デュムサオ、ロランス・エキルベイ、マチュー・ヘルツォーク、サミュエル・ジャン、ベンジャミン・レヴィ、ヨハンナ・マラングレらと共演している。
作曲家としても活動を展開し、オーケストラ、室内楽アンサンブル、合唱団、ソリストなどからの委嘱を多数受けている。交響曲を3作品、ピアノ曲、合唱曲、弦楽四重奏曲、木管五重奏、金管五重奏などの多彩な編成による作品を手がけており、一部はSony、Naïve、Mirare、Klartheなどからリリースされている。近年の映画音楽としては、エマニュエル・ベロラドスキー監督による『Elle & Lui et le reste du monde』(2024年)、ルイジ・パーネ監督による『Un Mondo in Più』(2021年)がある。
受賞歴には、SACEMジャズ大賞(2020年)、Victoires du Jazz(2013年)、大阪国際室内楽コンクール銀賞(2017年)、FIPA映画音楽賞金賞(2012年/ジェラール・モルディヤ監督『Les Cinq Parties du Monde』)、ジャンゴ・ドール新人賞(2010年)、マルシャル・ソラル国際ジャズピアノコンクール第3位(2010年)などがある。