• 青木涼子 (能声楽家)

    Ryoko AOKI (NOH SINGER)

    © Hiroaki Seo

プロフィール

 世界の主要な現代音楽の作曲家と共に、能の声楽である「謡」を素材にした新しい楽曲を発表している。これまでにペーテル・エトヴェシュ、細川俊夫など50人を超える作曲家が楽曲を提供しており、国内外でオーケストラとの共演、オペラ出演を行っている。
 2013年マドリード、テアトロ・レアル王立劇場にてヴォルフガング・リーム作曲《メキシコの征服》(ピエール・オーディ演出)のマリンチェ役でデビュー。2017年パリ・フェスティバル・ドートンヌ、ケルン・フィルハーモニーにて細川俊夫作曲、平田オリザ台本の室内オペラ《二人静ー海から来た少女ー》をアンサンブル・アンテルコンタンポランと共に世界初演を行った。その後、トロント、韓国・トンヨン国際音楽祭、ニューヨークにて、それぞれ別演出のプロダクションにも出演。2019年ペーテル・エトヴェシュ「Secret Kiss(くちづけ)」をスウェーデン、ヨーテボリで世界初演後、ベルリン・フィルハーモニー、東京文化会館、ポルト、マドリード、ケルン、ブダペストで再演を行った。他にもロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団、ミュンヘン室内管弦楽団などのトップオーケストラと共演している。
 2010年より世界の作曲家に委嘱するシリーズ「能×現代音楽」を主催しており、2014年にデビューアルバム「能×現代音楽」(ALCD-98)をリリースした。またコロナ禍においては、世界の作曲家による謡の曲をその国に向けて奉納演奏するシリーズ、新型コロナウイルス終息祈願「能声楽奉納」をYouTubeライブで配信している。

 東京藝術大学音楽学部邦楽科能楽専攻卒業(観世流シテ方専攻)。同大学院音楽研究科修士課程修了。ロンドン大学東洋アフリカ学院博士課程修了。2015年度文化庁文化交流使。2019年第11回「創造する伝統賞」(公益財団法人日本文化藝術財団)受賞。