拝啓、私、加藤昌則、自作自演致します。 / Masanori Kato 30th Anniversary Pre Concert 拝啓、私、加藤昌則、自作自演致します。 / Masanori Kato 30th Anniversary Pre Concert

拝啓、私、加藤昌則、自作自演致します。

2025年10月23日 (木) 18:30 開場 / 19:00 開演

主催公演

1996年6月4日。私は初めての自作自演の公演を都内の小さなホールで開催しました。
当時、私は大学院生でしたが、大学院を一年休学して渡欧することを計画していました。その計画をピアノの恩師に告げたところ、渡欧の条件として渡欧前に自作自演による個展の開催を提案されたのです。
当時、作曲科出身の学生や音楽家が自作自演で個展をするというのはあまり目にしないやり方でした。私自身もそんなアイデアは微塵も持っていなかったので、この提案にはとても驚いたのです。
「あなたの楽譜だけを異国の世界の人に持っていっても、限られた人しかあなたの世界はわからない。もしあなたがそれらを自演できるなら、たとえ言葉が通じなくとも、どんな曲かだけは感じてもらえる。」
それが、先生が個展開催をご提案された理由でした。
これまでに書いた曲、新しく書き下ろした作品、渾身で書き溜めた作品で一夜の演奏会を組み立て、私は渡欧することになったのです。
先生のお考えは見事に的中しました。イギリスで、イタリアで、僕は自作自演の演奏会をし、言葉の通じない人達とも多くの交流を得ることができました。ヨーロッパからすれば見ず知らずの極東の島国の若造が書いた音楽に、たくさんの人達が喜びを抱いて伝えてくれた。この経験こそ、僕が作曲家として、音楽家として、生きていこうと思った原点であり、原動力になりました。
それからたくさんの人々に出会い、支えていただき、これまで活動を続けてくることができました。そして来年はその初の個展によるデビューからちょうど30年を迎えるのです。
来年は30周年として、様々なことを考えていますが、そのプレとして今年、自作自演の夕べをサロン的な空間でやってみようと思いました。
限定100人の小さなサロンですが、最初の個展の時と同じような規模で、あれからほぼ30年の自分の変化も味わってみたいと思っています。
実は来年の30周年の活動では、ソロによる自作自演は都内では予定していません。
少し親睦的なことも考えたいと思っていますので、ぜひ私の原点を見に来てください。

                               敬具
                             加藤昌則

※公演詳細は8月1日(金)10:00より公開
【日時】 2025年10月23日 (木) 18:30 開場 / 19:00 開演
【会場】 ムジカーザ(代々木上原駅より徒歩2分)
【出演】 加藤昌則(ピアノ)
【曲目】 NHK-FM「鍵盤のつばさ」テーマ曲

「四季の詩〜季節のための12の調べ」より
  4月:桜香春光(おうかしゅんこう)
  6月:翠雨(すいう)

ブーレ
デジリングダンス
夢のまえのワルツ

「四季の詩〜季節のための12の調べ」より
  7月:海への一本道
  8月:夕立と陽光

風と海とカッペリの花

「四季の詩〜季節のための12の調べ」より
  10月:暝月のソリチュード
  12月:サンタが来るまで、そっとおやすみ

ダイヤモンドダストは雪原に散る

「四季の詩〜季節のための12の調べ」より
  2月:若葉の夢と約束
  3月:やがてその雨は、春を迎えるであろう

新作初演
【入場料】 全自由席 ¥未定
8/23(土)10:00~ 発売予定